熱伝導率が
伸びない理由を、
試料の中から数値で示す
試作品・量産品をX線CTで撮影し、内部のフィラーを1個ずつ計測します。充填率・粒度分布・形状・配向・つながり・空隙を数値にし、水準間の違いを統計的に判定したうえで、次の試作の方向までご報告します。
撮影だけのご依頼はお受けしていません。解析・所見・ご提言までを一つのサービスとしてお届けします。
ボクセル 0.33 μm ・ 1 水準あたり 2〜4 万個の粒子を計測(標準条件の例)
STANDARD CONDITIONS ・ 標準的な解析条件の例
1 水準あたりに計測する粒子の数
2〜4万個
平均値だけでなく、粒子 1 個ずつの値から分布を求めます
1 水準あたりの解析箇所
5か所
断面内と厚み方向に分散させ、場所によるばらつきを併記します
差の判定に使う信頼区間
95%
測定のばらつきと区別できない差は「差があるとは言えない」と記載します
解析条件は試料に合わせて設定します。上記は見本の報告書で用いた条件です(ボクセルサイズ 0.33 μm、解析範囲 約 127 μm 立方 × 5 か所、解析下限は等価直径 約 3.2 μm)。
配合表と熱伝導率の間にある「中身」が見えていない
熱伝導率は、なぜその値になったかを語らない
同じ充填量でも試料によって熱伝導率が違うとき、充填の差なのか、つながりの差なのか、空隙なのかは、測定値だけでは切り分けられません。
断面写真は、一部の面しか見ていない
SEM などの断面観察は 2 次元・局所的で、研磨で粒子が脱落することもあります。試料全体の詰まり方や、粒子の向きを数字で比べるのは困難です。
配合から計算した充填率と、実物の詰まり方は違う
混練・成形の条件によって、分散のムラや空隙が生じます。設計どおりに詰まっているかは、実物を見ないと分かりません。
X線CT構造診断で数値にするもの
粒子 1 個ずつの計測から、6 つの指標を求める
フィラーと樹脂を分け、接触した粒子を 1 個ずつに分離したうえで、各粒子の体積・形・向きを求めます。平均値に加えて、場所によるばらつきと分布をお示しします。
充填率
フィラーが占める体積の割合。解析箇所ごとのばらつきから、材料の均一性も読み取れます。
粒度分布
体積基準の Dv10・Dv50・Dv90 と分布の広がり(span)。レーザー回折などの粒度分布と並べて比較できます。
形状
等価楕円体のアスペクト比と扁平度。粒状・繊維状・板状を数値で区別します。
配向
粒子の長軸が厚み方向をどれだけ向いているか。Azz(等方なら 1/3)で示します。
つながり
厚み方向の両側に近い粒子を持つ粒子の割合。粒子が熱の通り道を作っているかを示します。
空隙
フィラーに囲まれた閉じた空隙の量。熱の通り道を断つ要因として評価します。
粒径が変わると、断層像はこう変わる
配合をそろえてフィラーの粒径だけを 4 段階に変えた試料を、同じ装置条件・同じ大きさの領域(約 125 μm 角)で撮影した実測データです。細かいフィラーでは粒子が小さく数が多いため断面は細かな斑点の集まりに見え、粗いフィラーでは視野に入る粒子が数個まで減り、視野の大部分を樹脂が占めます。
粒径に合わせて、解析の条件を変えます
粒子が大きいほど 1 つの解析箇所に入る粒子の数が少なくなり、箇所ごとの充填率がばらつきやすくなります。粗いフィラーでは解析箇所の数を増やすか、視野の広い条件での撮影をご提案します。
解析下限(等価直径 約 3.2 μm)付近の粒子が多い細かいフィラーでは、個数で数えると下限で切れている分が無視できません。粒度分布は体積基準で報告し、必要に応じてボクセルサイズの小さい条件(高倍率)での追加撮影をご提案します。
実測データ(報告書見本 p.6)
測定のたびに積み上がる「構造の数値」を、配合設計に返す
本解析で得られる充填率・span・配向・連結・空隙などの指標は、そのまま材料の構造記述子(構造を数値で表した特徴量)として扱えます。配合表から特性を直接予測しようとすると、同じ配合でも混練・成形で中身の詰まり方が変わる分を説明できません。構造記述子を間に挟むと「配合 → 構造」「構造 → 特性」の 2 段に分けて扱えます。
お渡しする記述子(標準の納品物)
| 分類 | 記述子 | 個数 |
|---|---|---|
| 量 | 充填率、閉空洞率、粒子内空隙率、開気孔の割合 | 4 |
| 大きさ | Dv10 / Dv50 / Dv90、Dn50、span | 5 |
| 形 | アスペクト比 a/c、扁平度 b/a、両者のばらつき | 4 |
| 並び | 配向 Azz、等方からのずれ、連結 fchain・flink、最近接粒子間距離 | 5 |
| ばらつき | 上記それぞれの箇所間標準偏差 | 同数 |
1 行=1 箇所(ROI)、列=記述子の形式の CSV。表計算ソフトや Python でそのまま読み込めます。記述子の CSV は標準の納品物に含まれ、貴社側で解析される場合は追加費用はかかりません。
進め方の目安
| 段階 | 水準数の目安 | できること |
|---|---|---|
| ① 傾向をつかむ | 6〜8 水準 | 記述子どうしの相関を見て、独立に動かせる操作を見つける |
| ② 寄与を出す | 12〜20 水準 | 回帰で寄与の大きい記述子を特定し、次に振る条件を決める |
| ③ 予測に使う | 30 水準以上 | 未測定の配合について特性を見積もり、試作の点数を絞る |
- 学習に使うデータは同じ装置条件・同じ解析設定で取得したものに限ります
- 熱伝導率などの特性値は U-MAP では測定していません。お手元の実測値を並べて突き合わせます
- 解析の設計や結果の読み方のご相談は、オプションとして承ります(別途お見積り)
水準どうしの違いを、原因まで読み解いてお返しする
見本の報告書では、同じ樹脂・同じ成形条件でフィラーの粒度と形状だけを変えた 4 水準を比べています。数値は体裁をお見せするための参考値です。
充填率を動かしたのは、粒径ではなく分布の広がりだった
細粒を加えて分布を広げた水準 B は充填率が最も高く、空隙も減りました。粒径を大きくした水準 C は充填率が上がる一方で空隙が増えています。板状フィラーを併用した水準 D は充填率では下がりましたが、粒子のつながりは基準の 2.6 倍でした。
- 所見:どの操作が、どの構造量を動かしたか
- ご提言:次に作るべき水準(例:細粒 15 / 25 / 35 wt%)
- 判定:差の 95% 信頼区間と「差あり/差があるとは言えない」
参考値(報告書の見本。実在の試料の測定結果ではありません)
お預かりするもの、お渡しするもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| お預かりするもの | 評価したい試料(シート・成形品・硬化物など)と、水準ごとの配合・成形条件。比較したい水準の数と、厚み方向など基準とする向き。測定済みの熱伝導率があれば併せて |
| 報告書(PDF) | 測定条件、断層像、6 指標の結果、水準間の差の判定(95% 信頼区間)、所見、次の試作に向けたご提言 |
| 数値データ(CSV) | 粒子 1 個ずつの計測値と、箇所別・水準別の集計値 |
| 構造記述子(CSV) | 1 行=1 箇所の記述子ベクトル(量・大きさ・形・並び・ばらつき)。機械学習にそのまま使える形式 |
| 画像・3D データ | 補正後の断層・二値化・粒子分割・空隙の確認用画像、Web ブラウザで断層を送りながら見られるビューア。3D データはご要望に応じて |
| 期間・費用 | 試料の数と解析の範囲によって変わります。技術相談で目安をお伝えします |
対応範囲
| 項目 | 対応 |
|---|---|
| 粒状フィラーの複合材(TIM・封止材・接着剤など) | 対応 |
| 繊維状・板状フィラー、その混合系 | 対応 |
| 複数水準の比較と差の判定 | 対応 |
| 熱伝導率の実測値との突き合わせ | 対応 |
| フィラーと樹脂の X 線の透過度が近い組み合わせ | 事前に確認 |
| 撮影のみ(解析なし) | 対象外 |
先にお伝えしておくこと
- 解析できる粒子の大きさには下限があります(見本の条件では等価直径 約 3.2 μm)。これより小さい粒子は計数しません
- 解析するのは試料の一部の範囲です。成形時のうねりなど、それより大きな不均一は捉えられません
- 粗いフィラーは 1 箇所に入る粒子が少なくばらつきやすいため解析箇所を増やし、細かいフィラーは下限付近の粒子が多いため高倍率の追加撮影をご提案することがあります
- 充填率・空隙率の絶対値は画像処理の条件にわずかに依存します。同じ条件で測った水準どうしの比較としてお読みください
- ご提言は構造の解析にもとづく方向性です。試作での性能を保証するものではありません
- 秘密保持契約を締結のうえ開始します。試料とデータの取り扱いは契約書に定めます
報告書の見本「X線CTによるフィラー分散評価 報告書」
- サマリー、測定した水準と測定条件
- 解析範囲と手順、断層像の見え方、粒径別の見え方(当社の実測データ)
- 結果 ①〜⑤:充填率・粒度分布・形状・配向とつながり・空隙、A を基準とした差の判定
- 所見、ご提言(充填率を上げるための 3 段階)
- オプション:構造記述子としての活用(記述子の一覧、進め方の目安)
- 付録:指標の定義、測定の限界、納品物
PDF ・ 22 ページ ・ 数値・グラフは参考値、断層像のみ実測です
下のフォームを送信すると、ダウンロードページに移動します
試作の前に配合を詰めるなら:フィラー充填解析
X線CT構造診断は「作ったものの中身」を診るサービスです。試作の前に、計算で最密の配合を絞り込むフィラー充填解析と組み合わせると、計算と実物の差まで確かめられます。
ご相談から報告まで
技術相談
試料と知りたいことをうかがい、解析の可否と費用・期間の目安をお伝えします
オンライン 30 分契約・試料の送付
秘密保持契約を締結し、試料と水準ごとの条件をお預かりします
撮影
全水準を同じ装置条件で撮影し、装置側の差が結果に混ざらないようにします
解析
粒子を 1 個ずつ計測し、6 指標と水準間の差を求めます
ご報告
報告書・数値データ・ビューアをお渡しし、所見とご提言をご説明します
まずは 30 分の技術相談から
評価したい試料と、知りたいことをうかがいます。解析できるかどうか、費用と期間の目安をその場でお伝えします。試料をお送りいただく前の段階で構いません。
申込フォームの送信後、その場でカレンダーから日時を選べます(オンライン・Google Meet)
Mail: thermal-lab@umap-corp.com
- 配合の割に熱伝導率が伸びず、原因を切り分けたい
- 同じ配合なのに、ロットや成形条件で熱伝導率がばらつく
- 粒度や形状を変えた水準の違いを、数値で比べたい
- 新しいフィラーを入れたときの分散・配向を確かめたい


